おがわ脳神経外科クリニック

物忘れ外来

認知症は年齢とともに急激に増えることが知られています。現在、65歳以上の6人に1人が認知症であると推計されていますが、80歳代の後半になると男性の3人に1人、女性の5人に2人は認知症であることが明らかにされています。当院で認知症と診断した方の年齢を調べると75歳を過ぎたあたりから急速に増加しますので、この年齢を超えた方の物忘れには注意が必要です。
「最近、いろんなことをよく忘れる」「人の名前や物の名前がなかなか出てこない」「いつもいろいろなものを探している」「同じことを何度も話す」。ご自身でそんなふうに感じて心配される方、あるいは上記のような症状があり、ご家族が困られていることはありませんか。きっと年のせいだから仕方が無い、と決めつけずに「今までの様子とは違う、おかしいな」と感じたらぜひ、専門医による診察・検査を受けることをおすすめします。認知症にとって大切なことは早期発見・早期治療です。

診療の特徴

1. 認知症の診断と治療を積極的に行います。
2. 頭部MRIを施行して、脳の状態や認知症症状を引き起こす脳病変の有無をチェックします。
3. 薬物治療に加え、生活に対する支援サービスや介護保険の利用案内をします。

物忘れ外来の進め方

ご本人、ご家族から日頃の様子を詳しくお聞きする
事前に物忘れ問診表をダウンロードして記入いただくと診察がスムーズに受けていただけます。
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記憶障害の程度を調べる検査(神経心理検査)を行う
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頭部MRIにて脳の状態を調べる
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上記を総合して認知症となられているかどうかを診断する。

『認知症』の場合
認知症と診断されればご本人の状態に合った適切な投薬を行い、介護保険の申請など今後の介護に必要な手続きなどを説明する。

『軽度認知障害』の場合
軽度認知障害(認知症の一歩手前の状態)の場合は、3~6か月後に再度受診していただき、その間の経過をお聞きし、再度検査をする。

認知症予防

2019年にWHO(世界保健機関)から公表された『認知機能低下および認知症のリスク低減』のためのガイドラインには、「認知症には治療法がないものの、修正可能な危険因子に対する予防管理により、発症や進行を遅らせることは可能である」と記載されています。生活習慣病が認知症の発症、進行に大きくかかわっていることがわかっていますので、高血圧、糖尿病などをきちんと管理し、更にバランスの良い食事をとる、適度な運動をする、積極的に社会とかかわることなどが認知症発症予防には非常に大切です。

物忘れ問診表 PDF